歯周病治療

当院の歯周病治療について

歯周病は、細菌が原因で歯茎や歯を支える骨(歯槽骨)を徐々に破壊する炎症性の病気です。この病気は、歯と歯茎の境目である歯肉溝に細菌が増殖することで歯茎が赤く腫れたり、炎症を起こしたりするところから始まります。しかし、初期段階ではほとんど痛みがないため気づきにくいのが特徴です。病状が進行すると、歯肉溝が深くなり(歯周ポケット)、膿が出たり歯がぐらついたりし、最終的には歯を失う恐れがあります。実際、歯周病は30歳以上の成人では約80%がかかっているとされています。また、歯を失う原因としては虫歯(32.4%)を超え、41.8%で第1位となっています(平成17年 8020推進財団調査より)。

歯周病は、プラーク中の細菌や噛む力の影響などによって歯の周囲の骨が吸収されることで進行します。予防には毎日の丁寧なブラッシングが欠かせませんが、それに加え、自分の歯でどの部分にリスクがあるのかを知り、歯石が歯根付近に付着した場合は早めに除去することも重要です。定期的な歯科検診を受け、早期発見・治療を心がけることで歯周病から歯を守りましょう。

歯周病の進行度について

歯肉炎

歯肉炎

歯周病の初期段階で、歯茎のみに炎症が現れている状況です。この段階では骨の破壊は始まっていません。

症状

  • 歯茎が赤く腫れる、歯磨きの時に出血などがあります。
  • 歯ブラシが当たる際に痛む場合があります。
軽度歯周炎

軽度歯周炎

歯茎が腫れた状態が続き、歯茎と歯との溝が深くなります。溝の部分に空気を嫌う歯周病菌が溜まりやすくなり、歯を支えている骨が徐々に溶けていきます。

症状

  • 歯茎は赤く腫れた状態で、出血しやすい状態が続きます。
  • 歯を支えている骨が溶けるので、歯茎も少しずつ下がり始めます。
  • 「知覚過敏」を起こしたり、歯が長く見えたりするようになります。
中等度歯周炎

中等度歯周炎

歯周病がさらに進んだ状態で、このケースだと骨は半分程度破壊されています。

症状

  • 歯の周りの溝はさらに深くなり、口臭がひどくなる、歯から膿の排出、歯のぐらつきなどの症状が出てきます。
重度歯周炎

重度歯周炎

歯の周囲の骨は半分以上破壊されています。この状態になってご自身の歯に支障をきたしてから来院する方も多く見られます。

症状

  • 歯の周りの溝はかなり深くなり、中に膿が溜まり歯茎が大きく腫れていきます。
  • ほとんどの場合で強い痛みを感じます。歯のぐらつきもひどくなり、物をしっかりと噛むことができなくなります。

歯周病の治療法

ブラッシング指導

患者さまそれぞれに合った、歯の周囲のプラークをきちんと取れるような歯磨きの仕方をご指導いたします。軽度の歯肉炎ですとブラッシング指導で改善されます。

スケーリング

歯石がついている場合には、機械や器具で歯石取り(スケーリング)を行います。

スケーリング・ルートプレーニング(SRP)

歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)にも歯垢や歯石が溜まっている場合は、専用の器具で丁寧に取り除く処置も行います。

外科処置

歯周病が重度の場合、歯周ポケットがかなり深くなるため、歯周ポケット内の歯垢や歯石を取り除くことが難しくなります。歯茎を切除し、歯周ポケットを浅くして汚れが溜まりにくする処置を行う場合もあります。

抜歯

歯周病が重度・末期の場合、無理に残すことで周囲の歯に悪影響を与えることがあります。そのため、状況によっては抜歯処置を行う場合もあります。

再生治療

歯周病によって失われた組織を元に戻すために必要な場所を作り、失われた組織を誘導する薬剤をその中に入れ、再生させる治療法です。